「こんにちは。私のこと、覚えてますか?」
そう言って店の扉を開けた女の子の顔と、
頭の中のどこかに埋もれていた記憶とが
つながるまで時間はほとんどかからなかった。
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彼女は大阪で有数の進学校に通う高校生だった。
そして、スプリンターでもあった。
よく勉強し、走っても学校の誰より速かった。
彼女はよくお店にきてくれた。
スパイクシューズをフィッティングしたり、
新入生のユニフォームやクラブの備品を
チームのまとめ役になって注文してくれた。
時には、学校のことやクラブのことを
高校生らしく楽しそうに話してくれたものだった。
彼女の高校で代々受け継がれる伝統のユニフォームは、
何十年も前からオリンピアサンワーズで作っている。
オーソドックスなランシャツ・ランパンのスタイルだ。
彼女は高校3年生の時、
その伝統のユニフォームとは別に、
セパレート・タイプのユニフォームを
彼女自身の考案で新しくデザインして作り上げた。
その時のカラー・シミュレーション・データ↓
伝統のユニフォームのカラーを基調にデザインした。
セパレートのユニフォームを着て試合に出るのは、
女の子たちの「憧(あこが)れ」でもある。
女の子たちは言う。
「だって、あんなユニフォームを着たら、
速く走れないとカッコ悪いじゃないですか!」
つまり、他の女の子から見ても彼女は、
こんなユニフォームを着て速く走れる
カッコイイ選手だったのだ。
高校時代に出した100mの自己ベストは12秒86。
このタイムは、彼女の高校における何十年ぶりかの
女子100m歴代1位記録として歴史に刻まれた。
彼女は後輩たちに「記録」と、
そして「憧れ」を残して高校を卒業したのだった。
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というわけで、本日のお客様はMOちゃんです。
MOちゃんのことを忘れるわけがないじゃないですか。
MOちゃん:「覚えててくれた!うれしい!」
MOちゃんが高校を卒業してもう3年になりますよね?
元気にしてましたか?
MOちゃん:「紆余曲折、色々ありました。
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