の世界へと勇ましく切り込んでいった。
彼が
男子100mで
大阪大会を突破した時、
「あの速い選手は一体誰だ?」
と、大阪の陸上競技関係者たちは驚きを隠せなかった。
人々が驚いたのも無理はない。
ほんの数か月前まで、
彼は
公立進学校に通う
「普通」の男の子だったのだから。
彼の存在もまた多くの人にとっては
「未知」だった。
彼は
近畿大会でも
「未知」の領域に切り込んだ。
男子100mの予選で
10秒77、
決勝で
10秒66と自己ベスト記録を連発。
第3位に躍り出て全国インターハイへの出場を決めた。
(
2013年6月の全国インターハイ出場を祝う記事)
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6月の近畿大会の決勝でも、
8月の全国インターハイの準決勝でも、
彼の隣のレーンで走ったのは、
4月の織田記念陸上競技大会で100mを「10秒01」で走り
日本中をアッと言わせていたスーパー高校生K選手だった。
あの日あの時のレースを、
彼は笑いながらこんな風に話してくれる。
「だって、走ればいつも隣がK選手ですよ。
スタートして真っ先に見えるのがK選手の背中です。
K選手が速すぎて、笑ってしまいそうでした」
夢の舞台は準決勝で終わった。
彼にとって、2013年の夏は、特別に熱かった。
(つづきます)
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