彼は「奇跡」を起こした、と言ってもいいだろう。
彼が初めてオリンピアサンワーズへ来てくれたのは、
昨年(2014)の夏。
高校1年生。
トリプルジャンプ(三段跳)の選手だ。
当時の彼の三段跳の自己ベスト記録は、
14m14cm。
でもこれはその1年前、
中学3年生の夏に出した記録で、
高校に入ってからはなかなか記録が伸びないし、
踵(かかと)も痛むようになってきたという話だった。
彼は苦戦していたのだ。
陸上競技の中で三段跳ほど足に衝撃を受ける種目はない。
ケガと故障を防止するためにも、
そしてハイパフォーマンスを実現するためにも、
川見店主は彼と共にシューズの
全面改革に踏み切った。
(
その時のリアル・シュー・フィッティング記事)
「奇跡」は起きた。
秋の
近畿高等学校ユース陸上競技対校選手権大会。
男子三段跳。
彼の5回目の跳躍の記録は
14m30cm。
その時点で1位の選手の記録は
14m32cm、2位は
14m31cm。
彼は
3位につけていた。
上位3人の記録差がわずか
1cmずつという、
力の拮抗(きっこう)した緊張と白熱の試合。
彼は6回目、
最後の跳躍にのぞむ。
彼のカラダは、三回、空に舞った。
その日の誰よりも、大きく、長く、遠く浮遊した。
彼が砂をまき散らして着地したとき、
周囲で見ていた誰もが息を呑(の)んだことだろう。
彼のカラダは、踏み切り板から
14m55cm先にあった。
自己ベスト
41cmの大幅更新。
彼は大逆転劇を演じ、
優勝してしまった。
64日――。
彼がシューズをフィッティングしてから、
「奇跡」を起こすまでに有した日数。
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高校生トリプルジャンパーSNSKくんのご来店です。
SNSKくん、こんにちは。
昨シーズンは自己ベスト大幅更新できてよかったね!
しかも
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