2年前(2012)の夏。
彼は高校生活最後のシーズンを迎えていた。
当時の彼の
100m自己ベストタイムは
10秒8。
しかし、記録は伸び悩んでいた。
故障がちでもあった。
時には、100mのタイムが
11秒台にまで落ちることもあった。
そんなある日、彼は、
チームメイトからと、父親からと、別々に、
しかも同じ時期に、「
大阪にある店」の話を聞く。
彼は、何かに導かれるようにしてその店に行き着いた。
(
その時のリアルご来店記事)
その後、彼は故障しなくなった。
調子もどんどんあがりはじめた。
100mの記録は、なんと
10秒62まで大幅更新した。
2012年11月3日。
彼は、
静岡県のとある陸上競技場で、
R高校の
男子400mリレーのメンバーとしてトラックに立っていた。
彼は
第2走者だった。
陸上競技の最強豪校であるR高校のリレーチームは、
その夏の全国インターハイで決勝に進めず苦杯をなめていた。
男子400mリレーで
全国優勝したのはT高校だった。
T高校は、
1週間前の
日本選手権リレーにおいても
男子400mリレーで
39秒99を記録。
高校生チームでは日本で初めて
40秒の壁を破り、
高校新記録を樹立するという快挙を成したばかりだった。
R高校のリレーメンバーは、誰もが雪辱に燃えていた。
2走のリレーゾーンで、彼は誓っていた。
「
全国インターハイ覇者のT高校に勝つ。
そして、日本の高校記録を塗り替える」
R高校のアンカーは、この半年後に
100mを
10秒01で走り“
スーパー高校生”として
全国に名を馳せることになる後輩の
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